きんつば

 大人になっても弱いものいじめはあって、群れていないと自分自身を保てない輩というのが存在する。


私は"不思議ちゃん"扱いにうんざりすることすら最近はなくなって、

むしろそういう煩わしいものから逃れられるから便利なくらい。


それでも許せないものは許せないから口出ししたくなるけど

思いとどまったのは、大人というものを信じてみたいと思ったから

エゴだとしても今の自分の周りの環境と、歩んできた道は間違いないと思いたかったから。



そういえば昔何かで読んだ気がする、人前で庇うことでその人が弱者になってしまう可能性があるということ。

実戦に及べば何より鋭い刃を突き立てる自信があるけど、わかっているからそうしない。

そんなものを自信と呼ぶのはよくないということも、知っている。




金沢旅行のお土産で持って行ったお菓子が、ただ一つ余っていた。

餡子が嫌いじゃないといいなと思った。


何をされても言われても、自分の先を作るのは自分だけということ。その事実が意味するのは孤独ではなく、自由であるということ。


白い包み紙が透けていた。

明日も、あさっても、来週も、再来週も、何ヶ月後も、私はここにいる限り味方でいるということが

帰り際に渡した小さな金鍔で、伝わっていたならいいなと思う。

















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