セーブデータ

目的地に着いた途端、扉の前で何故か異様に体が強張った。田舎者だから交通費だって安くはないのにそのまま引き返してしまったけれど、家に帰ってから後悔してもきっとこれが正しい選択だったと思う。緊張すると私は極端な行動を取りがち。
自分を上手くコントロール出来ないなら、いきなりプツンとリセットするんじゃなくてあくまでこの感情もセーブしておきたかった。

今日行く場所に傘はきっと邪魔になる。と思って最小限の荷物で外に出て来ていた。
帰りは最寄り駅に着いて30分間しっかりと雨に降られながらとぼとぼ帰ってすごく惨めな気分になったけど
お下がりのコートはとても温かくてきっと風邪は引かないだろうし、質の良い生地が毛に水を纏って表面がきらきら綺麗だったからそれだけが唯一の救いのようだった。
思えば靴も、鞄も姉から譲り受けたものだ。
強張った体がいつの間にか少し楽になっていた。



惨めな気持ちの正体は、気圧のせいとか誰かのせいじゃなくて
やっぱり私の中に棲む真っ黒い小人的な何か 私に決めさせてくれない
思えば何一つとして自分で何かを選び取ってきた記憶がない
それなのに「自分で選ばない」という選択肢を取って来たのは、紛れもない自分だからどうしようもなくなった。



今は選べなくてもいいから、選ばれるようになるにはどうしたらいい。私じゃなきゃダメだと言わせるにはどうしたらいい。当分はこれを考えて生きていくことになる気がする。
具体的な目標ももちろん大切だけど、思考することで磨きをかけたい。
本を読みながら、ぐちゃぐちゃの思考回路をまとめてノートに認める。近頃はサボっていたから、今夜からまた始めようと奮起。
朝方は死のうと思っていたはずがこんな風に結局、私は生きていける。without you




だから心配はしないで。いつもブログ読んでくれてありがとう!









 


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